『健康』胃カメラ・大腸カメラ検査を受けるベストタイミングはいつなのか



初めて受ける場合の年齢的なベストタイミング
編集部:
胃や大腸の検査を「受けるタイミング」って、なかなか自分では決められません。

道躰先生:
ベストタイミングや受け時には色々な意見があると思うのですが、まずは「年齢」という切り口から考えていくのがいいと思います。自覚症状のない人がはじめて大腸カメラを受けるとしたら、「40歳」が統計上の目安となります。

編集部:
大腸がんなどの好発年齢が40歳だからですか?

道躰先生:
いいえ、それはもう少し後です。ただ、がんはなってからだと遅いので「好発年齢の少し前」を推奨タイミングにしています。とくに大腸がんは、大腸にできたポリープが長年をかけて育ち、やがて悪性化していくと考えられています。ですから、ポリープの段階で見つけて切除することが、大腸がん予防に直結するのです。

編集部:
だとすると、胃がんと分けて考える必要がありそうです。

道躰先生:
そうですね。胃カメラのベストタイミングは、「ピロリ菌が疑われたらすぐ」ですね。胃がんの原因のほとんどは、ピロリ菌感染によるものということが判明しています。加えて、除菌しても胃がんのリスクが残ることもわかっているのです。ピロリ菌の有無そのものが問われるので、健康診断のメニューなどで「ピロリ菌検査」を積極的に受けてください。

自覚症状で考えるベストタイミング
編集部:
続いて自覚症状のある場合です。内視鏡検査を受けた方がいい固有の症状はあるのですか?

道躰先生:
症状の中身より期間の方が重要です。同じ症状が「2週間~1カ月」以上続いていたら、念のため、胃カメラ・大腸カメラを受けましょう。なお、受診して出された処方薬では改善しなかった場合も同様です。

編集部:
一般的な健康診断などで「要精密検査」を指摘された場合は必須ですよね?

道躰先生:
はい。必ず受けるようにしてください。昨今、最初から内視鏡で検査する健康診断も増えてきました。近々、バリウムによる画像検査はなくなっていくと思っています。なお、一部の特殊な胃がんは「バリウム検査をしないと発見しにくい」と以前はされてきましたが、大幅な解像度UPにより、内視鏡でも発見できるようになりました。

編集部:
ピロリ菌感染や自覚症状があった場合、胃カメラ・大腸カメラは保険で受けられるのでしょうか?

道躰先生:
保険適用になります。その一方でピロリ菌もなく無症状の場合は「人間ドック」と同様、自費扱いになるかもしれませんが、自治体によっては特定健診という形で費用助成が受けられる場合もあります。

編集部:
無自覚・自費でも「40歳で受ける」意義はありますか?

道躰先生:
一度は受けることを推奨します。40歳を過ぎると、胃がん・大腸がんに限らず、消化器系疾患の罹患率が上昇しはじめます。他方、「健康である」という確証を得られれば、その後のお仕事や生活に自信やゆとりが生まれる側面もあるのではないでしょうか。

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https://news.yahoo.co.jp/articles/e865b5dc9bd0ce8f819d50072518a3a9a188a651

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