「沈黙の臓器」が発する「サイン」はこうして見抜く…!肝・腎・膵「内臓余命」のチェックの仕方
前編記事『胃腸の弱い人が「100歳になっても食欲がわき続ける」驚異の回復法18』では胃腸に注目したが、続く本稿では、「沈黙の臓器」と呼ばれる肝臓・腎臓・膵臓との付き合い方を紹介する。
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【画像】痛みはすべて「脳」から来ていた…首の激痛が治る「びっくり脳トレ」
はっきり気がついたときにはもう遅い
Photo by gettyimages
症状が現れた頃には、すでに「内臓余命」のカウントダウンは始まっている。
それが、肝臓、腎臓、膵臓が「沈黙の臓器」と呼ばれる所以だ。
若林源太郎さん(60歳・仮名)は今でも深く後悔していることがある。
「15年前に健康診断で肝機能に異常が見つかり、再検査を受けて初期の『脂肪肝』と診断されたんです。そのときは自覚症状もまったくありませんでした。医師の指導で1ヵ月ほど食事に気を付け、大好きな酒を控えたところ、数値は回復しました。これで安心してしまったのが、良くなかったのです……」
若林さんはすぐに飲酒を再開。むしろ以前よりも酒量が増えた。一方で仕事は忙しく、健康診断は蔑ろにしていた。
そして10年以上が過ぎた頃、腹の血管が蜘蛛の巣のように浮き出てきた。気味が悪くなった若林さんが病院に行くと、肝硬変を発症していた。
「通院と薬物治療が始まり、もちろん禁酒です。これからの人生でお酒を飲むことはできません。確かに5年前から全身に倦怠感がありましたし、お酒も抜けにくくなっていましたね……」
肝臓専門医で栗原クリニック東京・日本橋院長の栗原毅氏が語る。
「日本人の約3000万人が脂肪肝といわれています。コロナ禍では、アルコールだけでなく、食べ過ぎが原因の脂肪肝も増えています。脂肪肝は放置すると、肝硬変、肝細胞がんへと進行することになります」
手のひらをチェックする
肝臓病は初期の段階で症状が出ることはほとんどない。
そのため、中期以降に現れた「SOS」のサインを絶対に見落としてはいけないと、栗原氏はアドバイスする。
「中等度の脂肪肝になると肝臓が炎症を起こし、体のだるさ、疲れやすさを感じることがあります。二日酔いが長引くことも、わりと早く出る症状です。肝機能が低下すると、手のひらが不自然に赤くなることもあります。私は最初に患者さんの手を診ます。これは脂肪肝から肝硬変に移行する時期になると出てきます。鼻の頭が赤くなる、男性なのに胸がふくらんできた、ED(勃起不全)になったといった症状も、肝硬変の前期に出がちです。この段階で生活習慣を改めれば回復が見込めます」
肝臓は細胞の再生能力が極めて高い。
「肝臓は大事に労れば120歳くらいまで持ちます」(栗原氏)
ただし症状が進行すれば、話は別だ。
「肝機能の低下がさらに進行すると、首やお腹の毛細血管が蜘蛛の巣のように赤く浮き出てきます。これらは危険信号です。医学用語では『メドゥーサの頭』といい、肝硬変や肝臓がんの兆候と考えられるんです。白目が黄味がかっている場合も、肝硬変末期の症状になります」(栗原氏)
肝硬変になれば、さすがの肝臓も細胞を再生することはもうできない。
その時点から、内臓余命はどんどん減って、最終的には肝不全となり、合併症や肝臓がんを発症するリスクが高まっていく。肝臓がんの5年生存率は35・8%である。
同じく膵臓もなかなか自覚症状は現れない。
主な膵臓病は「急性膵炎」のほか、「慢性膵炎」「膵臓がん」である。
Yahoo!ニュース
https://news.yahoo.co.jp/articles/24007caac64306fdb46502070f6f340b70676acb
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はっきり気がついたときにはもう遅い
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症状が現れた頃には、すでに「内臓余命」のカウントダウンは始まっている。
それが、肝臓、腎臓、膵臓が「沈黙の臓器」と呼ばれる所以だ。
若林源太郎さん(60歳・仮名)は今でも深く後悔していることがある。
「15年前に健康診断で肝機能に異常が見つかり、再検査を受けて初期の『脂肪肝』と診断されたんです。そのときは自覚症状もまったくありませんでした。医師の指導で1ヵ月ほど食事に気を付け、大好きな酒を控えたところ、数値は回復しました。これで安心してしまったのが、良くなかったのです……」
若林さんはすぐに飲酒を再開。むしろ以前よりも酒量が増えた。一方で仕事は忙しく、健康診断は蔑ろにしていた。
そして10年以上が過ぎた頃、腹の血管が蜘蛛の巣のように浮き出てきた。気味が悪くなった若林さんが病院に行くと、肝硬変を発症していた。
「通院と薬物治療が始まり、もちろん禁酒です。これからの人生でお酒を飲むことはできません。確かに5年前から全身に倦怠感がありましたし、お酒も抜けにくくなっていましたね……」
肝臓専門医で栗原クリニック東京・日本橋院長の栗原毅氏が語る。
「日本人の約3000万人が脂肪肝といわれています。コロナ禍では、アルコールだけでなく、食べ過ぎが原因の脂肪肝も増えています。脂肪肝は放置すると、肝硬変、肝細胞がんへと進行することになります」
手のひらをチェックする
肝臓病は初期の段階で症状が出ることはほとんどない。
そのため、中期以降に現れた「SOS」のサインを絶対に見落としてはいけないと、栗原氏はアドバイスする。
「中等度の脂肪肝になると肝臓が炎症を起こし、体のだるさ、疲れやすさを感じることがあります。二日酔いが長引くことも、わりと早く出る症状です。肝機能が低下すると、手のひらが不自然に赤くなることもあります。私は最初に患者さんの手を診ます。これは脂肪肝から肝硬変に移行する時期になると出てきます。鼻の頭が赤くなる、男性なのに胸がふくらんできた、ED(勃起不全)になったといった症状も、肝硬変の前期に出がちです。この段階で生活習慣を改めれば回復が見込めます」
肝臓は細胞の再生能力が極めて高い。
「肝臓は大事に労れば120歳くらいまで持ちます」(栗原氏)
ただし症状が進行すれば、話は別だ。
「肝機能の低下がさらに進行すると、首やお腹の毛細血管が蜘蛛の巣のように赤く浮き出てきます。これらは危険信号です。医学用語では『メドゥーサの頭』といい、肝硬変や肝臓がんの兆候と考えられるんです。白目が黄味がかっている場合も、肝硬変末期の症状になります」(栗原氏)
肝硬変になれば、さすがの肝臓も細胞を再生することはもうできない。
その時点から、内臓余命はどんどん減って、最終的には肝不全となり、合併症や肝臓がんを発症するリスクが高まっていく。肝臓がんの5年生存率は35・8%である。
同じく膵臓もなかなか自覚症状は現れない。
主な膵臓病は「急性膵炎」のほか、「慢性膵炎」「膵臓がん」である。
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https://news.yahoo.co.jp/articles/24007caac64306fdb46502070f6f340b70676acb
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